メッセージ

振り返れば、高度経済成長期は「モノ」の時代。「衣食住」に対する人々の欲求は一通り満たされました。やがて欲求は、物質的なものから精神的なものへと移り、花や植物をあつかう我々の業界も、1980年代にかけて大きく成長しました。

ところが、アートグリーンを創業した1991年以降、大きな時代の変化が起こりました。特にこの20年間は、日本経済が初めて迎えた後退期「失われた20年」。この時期、フラワー業界では新しい業態やサービスが多数生まれました。それは、「待ちの商売」の難しさを如実に体感したことの表れではないかと思います。実際、既存のサービスや商品では、顧客に満足を提供できず、業界全体が疲弊していくような実感がありました。


昨今、政府のかかげる「日本再興戦略」により、また大きく風向きが変わりました。IoTやビッグデータ、AIといった技術革新による「第4次産業革命」。さらに、シェアリングエコノミーなど、常識を刷新するような概念が持ち込まれたことにより、新しいニーズが生まれてきております。

世間では「働き方改革」の声が高まり、職場環境の改善についても、企業の経営陣がきちんと意識するようになりました。経済産業省がはじめた「健康経営優良法人認定制度」にも関係しますが、今さまざまな企業で、職場環境の整備のために花や植物を活用しようという動きが活発化しています。

さらに、農林水産業全体としても、「6次産業化」の成功事例が多数生まれたことにより、今後も攻めの展開が続くと考えられます。アートグリーンのように、生産から流通までを一手に担う事業者にとっては、世の中のためにできることの幅が、今まさに拡大しているのです。


無機質になってしまった社会を、我々の業界が改善していく。そんな新しい時代のスタートラインに立っていると、強く感じております。アートグリーンはすでに、主力商品である胡蝶蘭を通じて、企業に対する障がい者雇用の創出支援や、東北における地域農業の復興支援など、新たなプロジェクトを始動しています。

これまでに培ってきたノウハウに柔軟な発想をかけ合わせれば、花や植物が持つ価値をまだまだ引き出せると確信しております。企業理念である「弊社を取り巻く全ての困ったを解決することで社会に貢献します」を実践するため、社会課題に正面から取り組み、世の中になくてはならない存在となることを目指してまいります。これから先も、アートグリーンが提案する新サービスに、ぜひご注目ください。